不動産経済コラム

不動産経済コラム

主に「不動産」と「経済」の2つのテーマにフォーカスし、最新情報をわかりやすくお伝えします。

Vol.06

ファミリー世帯の、
将来を考えた街選びのポイント

2018.07.26

<2>将来の街の変化を予測しておく

憧れだった「団地」も時を経れば老い、地価が下落する

長く住み続けていると、子どもは成長し家族構成にも変化が訪れるでしょう。そして、住む街自体にも様々な変化が訪れるはずです。人口減少社会が予測さているなかで、10年後、20年後、30年後には街はどう変化しているのか? 将来の姿を想像した街選びも大切なポイントのひとつです。

先日、そのポイントのヒントになるような記事が新聞に掲載されていました。「老いる団地、地価下落」という見出しで、新聞社独自の調査による分析記事でしたが、「築年数が古くなった団地では地価の下落率が高くなる」、という内容でした。集合住宅が10棟以上集まる密集地の過去10年間の地価を調べたところ、築年数が40年以上になる地域は約9%下落し、全体よりも6ポイント以上下落率が大きかったとのこと。

昭和の高度経済成長期に増加する人口の受け皿であり、憧れの住まいであった郊外の大型ニュータウンや団地も、数十年の時を経ることで建物が老朽化して居住性能がダウン。さらに住み手の高齢化が進むことで消費が鈍り、街の活力も低下するという悪循環が生じているようです。

タワーマンション大量供給の街は、将来どうなる?

こうした懸念はタワーマンションの大量供給が続いている街においても、将来的には課題として浮上してくるかもしれません。タワーマンションが集中して建設されている街は通勤などの利便性が良く、商業施設や保育施設などを一体化して整備することで居住環境も整備され、子育て世代が多く入居しているケースも少なくありません。

確かに魅力のある街ですが、時を経て住民の新陳代謝が進まなければ、「昭和時代の団地」がたどった歴史が繰り返される可能性もゼロではありません。また、タワーマンションは老朽化対策やメンテナンス面でも独自の課題もあるため、長く住むことを考えると、さまざまなリスクも考慮しておく必要があるでしょう。

イメージ写真

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来年には新しい年号の時代が始まります。新しい時代となり、時を経て「平成のタワーマンション」の街がどのように変化していくのか、その行く末は住み手の意識によっても違ったものになるかもしれません。