不動産経済コラム

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主に「不動産」と「経済」の2つのテーマにフォーカスし、最新情報をわかりやすくお伝えします。

Vol.07

「本当に住みやすい街大賞2020」
からみる街選びのポイント

2020.02.12

  • フリーランス&ライター

    井村 幸治 いむら こうじ

フリーランスエディター&ライター。1964年、和歌山県生まれ。リクルート(現リクルート・ホールディングス)にて不動産、ブライダル領域の編集に長年にわたって携わる。その後フリーランスとして住宅、都市開発、メディカル、ブライダルなど様々な分野で取材執筆活動を行う。東京⇒名古屋⇒大阪の転居を2回ずつ経験したことで、各都市の住宅事情にも精通。日本各地への取材、旅行経験も豊富。現在は大阪府吹田市「千里ニュータウン」在住。

先日、「本当に住みやすい街大賞2020」が発表されました。街選びのランキングにはいくつかの調査が行われていますが、「住みやすい」という視点からはどんな街が選ばれたのか? 詳しくご紹介していきましょう。

1)「本当に住みやすい街大賞」とは?

ランキング上位は「川口」「赤羽」「たまプラーザ」

「本当に住みやすい街大賞2020」は住宅ローン専門金融機関のアルヒ株式会社により2019年12月に発表されたものです。街選びのランキングに関しては「住みたい街」や「住みよい街」など、いくつかの切り口で別の調査発表も行われていますが、この調査は「本当に住みやすい」という観点からのランキングが特徴です。調査は住宅ローン関連のサービスを利用している人々のデータをもとに、実際にそのエリアで生活をするという視点から街をピックアップしています。気になる結果はつぎの通りです。

「本当に住みやすい街大賞2020」

トップとなった「川口」駅は他の埼玉県内の主要駅と比べ、東京都内へのアクセスが良く、地価や物件価格がリーズナブルなこと。また駅周辺の商店街の再開発が進行しており、今後もさらなる利便性の向上が期待できる点が評価されています。

2位の「赤羽」駅は湘南新宿ライン・東京上野ライン・京浜東北線・埼京線など複数路線が利用できる高い利便性と、庶民性のある商店街が残る生活利便性、大型団地の再生事業による街の活性化への期待などが評価されています。

3位の「たまプラーザ」駅は住宅地として高い人気を保ってきた街。成熟したエリアでありながら駅直結の「たまプラーザテラス」が誕生し、団地の建替えが進むなど、街の環境整備が今後も続いていくことが評価ポイントになっています。

4位の「柏の葉キャンパス」駅は、つくばエクスプレス利用で都心から30分程度で直通アクセスが可能で、電柱がなく、環境と共生する未来志向の美しい街づくりが進んでいます。大型商業施設も充実した利便性も評価されています。

1位の「川口」駅をはじめ、5位以下の「入谷」駅「小岩」駅「ひばりヶ丘」駅「東雲」駅などは、他の調査ではあまり見かけない街がランクインしている点が、この調査の特徴とも言えそうです。こうした意外な街が上位にランクインしている理由は何でしょうか?