不動産経済コラム

不動産経済コラム

主に「不動産」と「経済」の2つのテーマにフォーカスし、最新情報をわかりやすくお伝えします。

Vol.08

「テレワーク時代」で
マンション選びはどう変わる?

2020.08.31

個室空間にするなら空調にもしっかり配慮を

マンションでの本格的なワークスペースを目指すなら、リフォーム&リノベーションを活用するのもひとつの方法です。その際、完全に密閉した書斎にするのではなく、室内窓や透明パーテーションなどを活用すれば、家族の気配を感じ、コミュニケーションをはかりながら仕事をすることができます。

また、開口部が限られているマンションでは、空気の流れにも配慮することが大切になります。酷暑が続く近年、快適なワークスペースづくりには空調が必須です。個室にエアコンを設置できない場合でも、室内窓やサーキュレーターを活用することで快適な環境づくりを考えましょう。

そのほか、マンションの場合、居室の一部ではWi-Fi接続が不安定になるケースもあります。家族の利用も含めて多数の電子機器による同時使用にも耐えられる高速ネットワークの確保、配線や電源についてもしっかり考慮しておきましょう。

共用施設にも職住融合の考え方が重要に

マンションでは、共用施設もワークスペースとして活用することが可能です。新築マンションの一部では、共有施設としてワーキングコーナーやライブラリーコーナーを設置している物件もあります。共用空間は幅広い層の入居者が利用するスペースなので、仕事を行う前提にはなっていないケースが多数でしたが、コロナ後ではテレワークを想定した空間づくりがPRポイントになってきそうです。また、Wi-Fi環境の整備や電源確保、個別面会スペースの設置なども、選択のポイントになりそうです。

また、住居内の一部をワークスペースにした分、収納スペースなどが足りなくなる事も考えられます。宅配ロッカーはもちろんですが、屋外に専用収納スペースを確保することが求められるようになるかもしれません。職住融合の時代に相応しい、共用施設の在り方が問われそうです。

3)街選びの優先順位が大激変?

通勤のストレスから解放された事がメリット!

住まいでのテレワーク環境が整備され「職住融合」が進んでいけば、街選びの基準も、大きく変化する可能性があります。なぜなら、都市部にあるオフィスへの通勤が必要なくなる、もしくは出社頻度が大幅に減少するからです。その兆候はアンケート調査にも表れています。

「テレワークを行ったメリットは何か?」というアンケートの結果、1位となったのは「通勤時間のストレスがない(72.7%」、2位には「通勤時間を他のことに充てられる(56.7%)」と続きます。“通勤”からの解放が、テレワークの最大のメリットであるといえそうです。

また、「時間配分が自由にできる(37.5%)」、「余暇の時間が増える(27.8%)」、「家族と過ごす時間が増える(22.9%)」など、時間の使い方が変化している様子もうかがえます。

テレワークの浸透により、仕事中心の生活から、余暇や家族との時間も大切にしたライフスタイルへと、暮らし方を変える大きなきっかけとなる結果が出ています。

「テレワークのメリット」

※株式会社イード調べhttps://u-site.jp/survey/telework-1