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2021.1.28
街選びの変化はすでにデータにも表れています。住宅ポータルサイトの検索状況や、人口移動にもその動きは顕在化しています。たとえば東京都の人口は転入超過が長く続いてきましたが、この半年近く転出超過が続いています。総務省の住民基本台帳人口移動報告によると、11月に東京都から他府県に「転出した人」は前年同月比19.3%増の2万8077人、他府県から東京都に「転入した人」は6.8％減の2万4044人で、5か月連続で「転出超過」となっています。
先述のグリーンポイント制度を利用して、一都三県以外のエリアでの住まい探しを考えるきっかけになるかもしれません。軽井沢に拠点を持つ、伊豆半島に夏の住まいを持つ・・・。そういった選択肢がごく一部の人が持つ考えではなくなり、広く現実的に検討できる時代になったのだと言えます。
地方自治体の中には、移住者への手厚いサポートを設けているところも少なくありません。通勤という制約から解き放たれたときにどの街に住むのか、考えてみてもよいでしょう。
テレワークの浸透によって、住まいにもワークスペースの確保が求められるようになりました。シングル＆DINKSの場合にもLDKと寝室のほかに、ワークスペースが確保できる間取りが理想的かもしれません。ただ、専有面積は限られているので、スペースをうまく活用する工夫も大切になります。
例えば、可動式の「ウォールドア」を使って、家族構成や利用シーンにあわせてフレキシブルに使いこなすという方法もあります。
開ければ2つの空間を一体に。閉じればプライベートな空間に
PCなどを設置してワークスペースをつくった場合、ウォールドアを閉めればプライベート空間を見せずにオンライン会議に参加できます。もちろん、ホビールームやシアタールームとしての活用も可能です。
暮らしに合わせて、様々な使い方が可能
DINKSの方であれば、将来子どもが産まれたときには子供部屋として模様替えすることもできます。
ファミリーにも活用しやすいウォールドア
DINKSの場合、寝室をどうするのか迷うポイントかもしれません。新婚の頃や暮らし始めた頃は、寝室はひとつのほうがいいと考える人もいるかと思います。ただ、夫婦であっても、ひとりの人間であることも事実です。寝室を別々にしておくことで、つかず離れずの距離感を保つほうが、円満に暮らしているケースも多いように思います。
また、寝室兼ワークスペースを2部屋つくることで、お互いに気兼ねなく仕事に集中することも可能になります。LDKにそれぞれの寝室、可能であればもう1部屋あると、ゆとりの暮らしが実現できるでしょう。
もうひとつ大切なのは、昨今増えている災害リスクのチェックです。地震や津波、台風や洪水のリスクについてもしっかりとチェックしておく必要があります。特に、土地勘のないエリアで住まい探しを考える際には、ハザードマップのポータルサイトなどを活用して事前のチェックを怠らないようにしてください。
シングル＆DINKSの場合、忘れてはいけないのがライフスタイルの変化、家族構成が変化する可能性です。一緒に暮らすパートナーと出会う、子どもが産まれるといった変化が起きたとき、購入したマンションをどうするか。 他人に貸したり、売ったりしやすいかという、第3者的な視点も大切なポイントになります。もし、迷う場合は友人知人、または専門家に相談して、意見を聞いてみるのもいいでしょう。
文：井村 幸治（フリーランスエディター&ライター）
2021年1月掲載
フリーランス＆ライター
井村 幸治 いむら こうじ
フリーランスエディター＆ライター。1964年、和歌山県生まれ。リクルート（現リクルート・ホールディングス）にて不動産、ブライダル領域の編集に長年にわたって携わる。その後フリーランスとして住宅、都市開発、メディカル、ブライダルなど様々な分野で取材執筆活動を行う。東京⇒名古屋⇒大阪の転居を2回ずつ経験したことで、各都市の住宅事情にも精通。日本各地への取材、旅行経験も豊富。現在は大阪府吹田市「千里ニュータウン」在住。
