不動産経済コラム

不動産経済コラム

主に「不動産」と「経済」の2つのテーマにフォーカスし、最新情報をわかりやすくお伝えします。

Vol.13

マンションの資産価値を決める要因は?

2021.3.31

2)管理は未来の価値を決める

「マンションは管理を買え」の意味とは?

「マンションは管理を買え」という言葉があります。
この言葉は、快適な暮らしを営めるマンションであるかを見極めるため、廊下やエレベーターなど共有部分の清掃やゴミ捨て場の状態、駐車場・駐輪場の様子などチェックすることが大切だという意味です。賃貸マンションを探す際に「ゴミ捨て場や駐輪場を確認しましょう」とチェックポイントを教えてもらった方もいるのではないでしょうか?

管理状況のチェックは、マンション購入を検討する際にも重要ポイントになります。特に中古マンションでは建物自体の傷み、植栽の手入れ、ポストの状態、駐輪場での自転車の並べ方など視覚的にチェックできる箇所もたくさんあります。

「マンションは管理を買え」新築の場合は?

新築マンションの場合は、マンションが竣工する前に契約を交わすこともあるので、実際の管理状況は確認できません。しかし、パンフレット等の「物件概要」からは管理を委託する会社の名称や、管理人の勤務形態(常駐・日勤など)を確認することができます。管理会社が分かれば、管理戸数や事業実績なども調べることができます。他にも警備会社との連携、植栽やゴミ捨て場の清掃など、パンフレットに記載されていない内容は不動産会社に確認してみてもいいでしょう。

将来の資産価値に大きな影響を与えるのは、大規模修繕など入居後に管理組合が検討・実施する長期修繕計画の内容です。契約時の重要事項説明では計画の詳細が説明されますので、しっかりと理解しておきましょう。

ただ、実際に管理状態が資産価値に影響を及ぼすのは5年、10年、20年と時間が経過してからのことになります。資産価値を落とさないためにも、当事者として積極的にマンション管理にかかわっていく姿勢が大切になります。

まとめ)不確定な未来に備えて資産価値を重視する

コロナ禍以降も立地条件は重要

マンションの資産価値を左右するのは、エリアや最寄り駅からの距離が大きな要因となっていることがわかります。

ただ、コロナ禍を経て、住まい選びの優先順位にも変化が起こり始めています。
「都心への通勤利便性を重視するよりも、おうち時間を豊かにしてくれるマイホームがほしい」というニーズも増えています。

いずれにしても、リセールバリューは売却を想定した価値基準の指標です。「今の住まいにずっと住み続けるのか分からない」と考えるのなら、売却の可能性も踏まえたマンション選びをおすすめします。

文:井村 幸治(フリーランスエディター&ライター)
2021年3月掲載

  • フリーランス&ライター

    井村 幸治 いむら こうじ

フリーランスエディター&ライター。1964年、和歌山県生まれ。リクルート(現リクルート・ホールディングス)にて不動産、ブライダル領域の編集に長年にわたって携わる。その後フリーランスとして住宅、都市開発、メディカル、ブライダルなど様々な分野で取材執筆活動を行う。東京⇒名古屋⇒大阪の転居を2回ずつ経験したことで、各都市の住宅事情にも精通。日本各地への取材、旅行経験も豊富。現在は大阪府吹田市「千里ニュータウン」在住。