不動産経済コラム

不動産経済コラム

主に「不動産」と「経済」の2つのテーマにフォーカスし、最新情報をわかりやすくお伝えします。

Vol.07

「本当に住みやすい街大賞2020」
からみる街選びのポイント

2020.02.12

2)住みやすい街をチェックする5つの基準

その1 「住環境」は安全面を重視するケースも増えている

1位の「川口」は駅周辺の商業施設や公園の充実度合いが高得点の要因となっているようです。2位の「赤羽」は大型スーパーに加えて2つの大きな商店街の存在が評価されているようです。3位の「たまプラーザ」は美しく整備された街並や公園がポイントとされています。

商業施設や公園、街並みなどは、そのエリアの「住環境」の大きなポイントですが、それ以外にも住居としての「住環境」なども含めて、いくつかの視点があります。例えば、国土交通省が実施する「住生活総合調査」でも「住宅及び居住環境に関して重要と思う項目」を調査しています。平成25年度版のデータでは、どんな項目が重視されているのか上位から順にご紹介しましょう。

【住宅及び居住環境に関して重要と思う項目(環境に関する項目を抜粋し上位から紹介)】

住宅及び居住環境に関して重要と思う項目

http://www.mlit.go.jp/common/001104812.pdf 38Pより

一番重視されているは「治安、犯罪発生の防止」という安全性でした。その他にも「災害時の避難のしやすさ」「水害・津波の受けにくさ」といった項目が上位に入っています。2011年(平成23年)の東日本大震災以降、防災意識が高まっている事がうかがえ、“実利的”な住環境を重視している人も多いようです。

その2 「交通利便性」は将来の変化も要チェック

「交通利便性」では通勤・通学利便性の観点からチェックされるケースがほとんどでしょう。都心部までの所用時間と利用可能ルートの豊富さから高い評価を受けているのが「赤羽」です。以前は運行されていなかった湘南新宿ラインや東京上野ラインの直通運転が始まり、利便性がさらに向上した街でもあります。

交通利便性はダイヤ改正や、運行ルートの改良、そして新線・新駅計画によっても改善される可能性があります。たとえば2019年11月には相鉄・JR直通ルートが開通し、神奈川県県央エリアや横浜市と東京都心部が直結されました。さらに、2022年度には相鉄・東急の直通路線が開業する予定です。また、2020年春にはJR山手線の新駅「高輪ゲートウェイ」が開業するほか、首都圏内では新駅や新線が数多く計画されています。

つまり、交通利便性の見極めには、現在だけではなく未来の姿も想定しながらチェックすることが大切だということです。