不動産経済コラム

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Vol.03

おウチでできる防災対策のススメ
防災対策<3つのポイント>

2014.09.

気象予報士・防災士

田頭 孝志

気象予報士の資格を取得後、フリーの気象予報士として活動を始める。
現在では防災士・えひめ防災インストラクターの資格を取得して愛媛県を中心に講演活動やイベント活動を行う傍ら、気象に関連したアプリ開発や気象・防災情報の提供など様々な取り組みを行っている。

災害に備える

災害時に、水道や電気・道路などのライフラインが遮断されてしまうと食糧や水が手に入りにくくなります。また、ケガをした場合も治療を受けることが困難になるなど、直接的な難を逃れても命に関わる状況に陥ってしまう場合があります。
こうした二次被害を防ぐためには日頃から防災グッズを備えて防災対策をすることが大事です。日常生活に少し工夫を加えることで防災対策に繋がることもあるので、これをきっかけに防災について考えてみましょう。

防災グッズを備えるポイント

ポイント1
災害時に無いと困る物を想定して備える

防災グッズを備える目的は、「災害発生時から食糧や生活用品などの救援物資が運ばれるまでの期間」を乗り切るためです。救援物資が届くまでは食糧も生活用品も手に入らないと考え、生きるために何が無いと困るかということを意識し、日頃から防災グッズを備えることが重要になります。

ポイント2
防災グッズで備える物

それでは、実際に備えておくと役に立つものを紹介しましょう。

■ 非常用食糧[水、菓子類、缶詰類、レトルト食品]

災害が起こると救援物資が避難所に届くまで、1週間程度かかる場合があります。菓子類は小さく高カロリーで保存が効く飴のような物が適しています。また災害時にはガスや水道等のインフラ設備が止まることが予想されます。そのため、菓子以外にも火を通さずに食べられる缶詰や、少量の水だけで食べられるレトルト食品などを非常食として準備しておきましょう。3日分あれば、食べる量を調整することで1週間程度は乗り切ることができます。

■ 救急用品[救急箱、薬]

災害によりケガを負う可能性があります。ケガをした箇所から細菌が入らないための消毒液と止血するための包帯、ちょっとしたキズに使いやすい絆創膏などは必ず揃えておきましょう。

■ 避難用具[懐中電灯、ラジオ、スリッパ]

携帯電話やテレビが使えなくなり情報が入らなくなる可能性があるので携帯ラジオを必ず用意しておきましょう。懐中電灯は荷物にならない小型のタイプがオススメです。また、電池類も災害が起きてからでは手に入りにくくなりますので予備を含めて、多めに買っておきましょう。そして意外に重宝するのが、スリッパ。急に家を飛び出したとき割れたガラスなどでケガをするのを防いでくれます。

■ 生活用品[毛布、手袋、衣料品、サランラップ®、マスク]

災害が起きた季節が、冬場だと寒さから体調を崩す恐れがあるので、毛布や厚手の衣料品などを用意しておきましょう。また震災時には、割れたガラスを片付ける、がれきをかき分けるなどの作業をする必要があります。その際に手に怪我を負う可能性が高いため、厚手の手袋を用意しておくと重宝するでしょう。その他にも、サランラップ®やマスクは常備するようにしてください。サランラップ®は、通常通り食品の保護にも使えますし、お皿に巻けば食器を洗う手間を省くことができます。また、震災時には、粉じんが発生することも考えられるためマスクも役に立ちますし、顔を隠せるため女性がお化粧をする手間を省くことも出来ます。

ポイント3
買い換えが必要な防災グッズに関して

防災グッズの中には、食糧品や防災ヘルメットのように賞味期限や耐用年数があることで買い換えが必要な物もあります。賞味期限が切れた食糧や耐用年数が過ぎた物は防災グッズとして役に立ちません。防災グッズをいつでも使用できる状態にしておく必要があります。買い換えが迫ったら、日常生活で使用できるものは使用して、無駄にしないようにしましょう。また最近では、耐用年数の長い防災グッズも多くなっています。実際に「耐用年数が短く安い製品よりも、耐用年数が長く高い製品の方が、結果としてお得だった。」なんてこともあります。防災用品を購入する際には、耐用年数、賞味期限の長さにも注意してください。

無理のない防災対策を

防災グッズは種類が多く、さまざまなケースに備えていろいろと買い揃えるのは、金銭的にも大変です。常備する防災グッズが多ければ良いというわけでもありません。実は、防災グッズのほとんどが日常生活で使用しているもので代用ができます。普段使っている物を防災グッズとして使えるように整理してまとめておくと金銭的な負担も少なくなります。
例えば保存食として、保存期間の長いパスタ(3年)を準備し賞味期限が近くなったものから使用する、スパム缶を備蓄して1ヶ月に1回のペースでゴーヤチャンプルといった普段の料理に使う、など色々な方法があります。

防災対策において一番大切なことは、持続させることです。日常生活に負担をかけない範囲で、出来ることから備えるようにしましょう。

2014年9月掲載
※掲載の写真は全てImage photoです。