不動産経済コラム

暮らしタイムズ

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Vol.15

すまいを快適にするヒント
~収納方法を紐解いてみよう~

2021.2.25

片付け収納専門インテリアコーディネーター
北欧ライフスタイル研究家

新倉 暁子

片付けは美しく見せるテクニックが大切なのではなく、どんな暮らしがしたいのか自分の思考を整理することが重要だと考える。住空間だけでなく暮らし全般を整えることの大切さを提案。幸福度の高い北欧ライフスタイルからヒントを学ぶべく研究発信も行う。自称「片付けられない女」の経験を活かした片付け講座、個人向け収納サポート、北欧オンラインツアーなど多岐にわたって活動。

収納イメージフォト

家で過ごす時間が増え、家の中を整えて快適に暮らしたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。頭では理解していても「整える」って何をどこから…そんな方でも片付けしやすくなる収納について考えていきたいと思います。

収納の種類は大きく分けて3つあります。「ハンギング収納」、「引き出し収納」、「棚収納」です。多様な暮らしの中で存在する収納は3パターン、これを紐解けば快適な収納のヒントになるかもしれません。それでは一つずつ見ていきましょう。

上手く活用すれば、見映えもよくなる~ハンギング収納~

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ハンギング収納とは、フックを壁面に取り付けモノを吊るす、ハンガーに掛けてクロゼットに収納する、またはレールを利用したウォールポケットなどの収納法を指します。キッチンツールから毎日使うバッグや衣類まで様々なシーンで使われます。


この収納の利点は、ひょいっと掛けられる手軽さです。そして収納してモノが隠れてしまうことがないので仕舞い込んで忘れがちな方には有効な収納法です。また吊るすモノによっては、インテリアディスプレイにもなり、空間を楽しめる収納の1つです。


その反面モノを掛けすぎると見た目も悪くなりがちです。吊るすモノを厳選して選ばなければ、見づらく乱れた状態になってしまいます。インテリアとして見せるためなのか、収納力アップを望むためなのか明確にすることが快適収納のポイントです。


奥が深い、基本的な収納~引き出し収納~

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タンスなどに該当する引き出し収納は、最近ではキッチンや洗面スペースでも多く使われています。有効活用のポイントは、引き出した時に上から覗き込んで中のモノ全体を見渡せるかどうかです。


例えば、Tシャツのような衣類を重ねて積み上げて収納すると、一番下の洋服が見えず同じ洋服ばかり着ていたなんてこともあるでしょう。


そこで、引き出しの中で洋服が積みあがらないよう立てて収納すると、引き出した時に洋服が一目瞭然となり、取り出しやすいです。洋服を立てやすいようボックスやブックエンドを使うなど工夫すると良いでしょう。


また、小物を収納する時には仕切りを作ってジャンル別に分ける必要がありますが、あまりにも細分化すると元に戻せなくなる傾向もあります。ここはざっくり分けて遊びの部分を残すのも重要です。


他にも、判別しやすいよう引き出しの深さにも着目しましょう。浅い引き出しは細かいモノを、深い引き出しは大きくかさばるモノを収納するといいでしょう。


収納位置と物の重さの関係が重要!~棚収納~

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シンプルな作りの棚収納は、住空間の中で最も一般的な収納です。本棚、食器棚、下駄箱、押入れのような大空間も棚収納にあたります。


棚収納を活用する際、背伸びをして取り出す必要がある棚は、下から見上げてもそこに何があるのかわかるよう目印をつけなければ、なかなか使われない物になってしまいます。視線より上の場所を使いこなすには、背伸びしない状態でもそこに何があるのかラベリングをして中身を忘れないよう見える工夫が必要です。


また、人間が可動しやすい高さは、目線の少し上から膝頭のあたりまでと言われています。上部は軽いモノを収納、屈み込む下部分は重さがあるモノの収納が適しています。


棚収納では細々としたモノは直置きせず、ジャンルごとに分けてでまとめカゴなどに入れて収納することをお勧めします。

棚板は高さ調節できる仕様も多いです。自分の背丈やモノの大きさに合わせ高さを調節することも出し入れしやすいポイントになります。

最後に

モノを使う場所の近くで収納すること、同じジャンルをまとめて収納すること、そして美しい収納を目指すのではなく”元に戻しやすい収納”にすること。これらを意識し、自分にとってここちよい暮らしを目指してはいかがでしょうか。

2021年2月掲載
※掲載の写真は全てImage photoです。