不動産経済コラム

暮らしタイムズ

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Vol.06

マンションの購入時、駐車場を考える!

2016.08.

不動産コラム二スト

渋谷 宏行

不動産会社を退職後、不動産コンサルティング業として独立。マーケティング業務、執筆、メディア企画を中心に活動中。多数の建設会社・不動産会社の企画開発に携わっている。これまでの豊富な経験と知識を生かしながら、現在も最新のノウハウを集め続けている。

車をお持ちの方がマンションの購入を検討する場合、どのような駐車場が設置されているのかはとても重要です。マンションには全戸分の駐車場が設置されていないケースが多く、駐車場の種類によって使い勝手も違ってきます。そこで今回はマンションの駐車場について、平置き・自走式・機械式の3種類でメリット・デメリットをまとめてみました。

01
平置き駐車場とは?

平置き駐車場とは、地上面にスペースを確保してある駐車場のことです。広い敷地面積が必要となります。

■ 平置き駐車場のメリット

①入出庫に手間や時間がかからない。
②維持・メンテナンス費用が安い。
③車の幅や高さなどの制限が緩やか。

■ 平置き駐車場のデメリット

①風雨にさらされるので、車が汚れやすい。
②月額使用料が高い場合がある。
③盗難やいたずらをされやすい。

02
自走式駐車場とは?

自走式駐車場とは、車を運転しながら移動できるように、スロープで上下階を結んだ駐車場専用の建物のことです。マンションの場合、鉄骨ユニットで2~3階建てになるケースが多いです。

■ 自走式駐車場のメリット

①平置きについで入出庫が手軽。
②建物内で屋根があるケースが多く、風雨にさらされないので車が汚れにくい。
③車の幅や高さなどの制限が緩やか。

■ 自走式駐車場のデメリット

①住戸と駐車場との行き来に時間がかかる。
②駐車位置に傾斜が出来る場合がある。
③通路が狭いとすれ違いが大変。

03
機械式駐車場とは?

機械式駐車場とは、パレットに車を載せ、機械で上下に移動させることで、縦方向に複数の車を駐車できる駐車場のことです。都市部のマンションに多く3種類中、最もスペースを有効活用できます。

■ 機械式駐車場のメリット

①上段のパレットが屋根になるケースが多く、風雨にさらされないので車が汚れにくい。
②敷地面積が狭い場合でも、駐車台数を多く確保することができる。
③盗難やいたずらをされるリスクが低い。

■ 機械式駐車場のデメリット

①入出庫に時間がかかる。
②駐車できる車の幅や高さに制限がある。
③維持・メンテナンス費用が高くなるので、管理費・修繕積立金が高くなるケースがある。

総合的に考えると平置き駐車場がおすすめ

月額使用料は機械式駐車場や自走式駐車場が安くなることが多いですが、維持・メンテナンス費用を修繕積立金として徴収されていることがありますので、料金の単純比較だけでは損得を決めることはできません。また機械式の場合、将来的に全交換が必要になり規模によっては億単位のコストがかかってしまうこともあります。自走式駐車場は機械式駐車場ほどのコストはかかりませんが、平置き駐車場にはかないません。コストパフォーマンスや使い勝手を総合的に考えれば、平置き駐車場が優れているケースが多いのでないでしょうか。

まとめ

都心で駅から近いマンションの場合は、月額使用料が高く設定されていることが多く、電車などの交通機関が発達していますので、車を持たないライフスタイルもアリです。一方、郊外のマンションの場合は、駐車場の種類は要チェック事項です。車をお持ちの方がマンションを探すときは、可能であれば平置き駐車場が設置されているマンションを選びましょう。

2016年8月掲載
※掲載の写真は全てImage photoです。