不動産経済コラム

暮らしタイムズ

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Vol.05

心と身体に影響大!
インテリアに役立てたい色彩心理学の基本

2015.02.

インテリア スペースデザイナー

金田 つばさ

大学で心理学を専攻し、主に空間視覚から感じるストレスを研究。
卒業後、総合建築事務所で個人邸宅からカフェなどの飲食店、美容関係の店舗まで、あらゆるジャンルのインテリアデザインを担当。
その後独立し、心理学のエッセンスを加えた空間デザイナーとして手腕を振っている。建築知識も併せ持つ。

私たちのまわりには、さまざまな「色」があふれています。
色は、私たち人間の心にさまざまな影響を与えることがわかっています。さらに、心だけではなく、体温や自律神経など身体にも影響をおよぼすといわれています。
それぞれの色がどのような作用をもたらすのかを知って、インテリアに上手に取り入れることができれば、自宅マンションがより快適で過ごしやすい空間になるかもしれませんね。
今回は、色が人に与える影響とインテリアへの上手な取り入れ方についてご紹介します。

色が人の心身に与える影響

■ 赤

赤には人を興奮させる働きがあります。赤い色に囲まれていると、血流が良くなり体温が上がることがわかっています。積極的になる反面、イライラしたり攻撃的になったりすることも。インテリアに使う場合は広い面積ではなくアクセント的に使うのがおすすめです。陽の当たりづらい部屋などに赤を使うことで暖かい印象になります。

■ 青

青は赤とは反対に、興奮を抑え穏やかな気持ちにさせる働きがあります。このため、寝室に青を用いると安眠効果が得られます。また、人に冷静さや落ち着きをもたらすため、学習や読書を行う部屋にも向いていると言えます。

■ 黄色

黄色信号や道路標識など注意喚起の際に用いられることでもわかるように、黄色には人間を“ハッ”とさせる働きがあります。脳の情報処理を促すため、集中力が高まり思考能力が上がると言われています。また、人を社交的にさせる色でもあります。お子さんの勉強部屋や、家族が集うリビングなどにアクセント的に取り入れたい色です。消化器系の働きを活発にする作用があるとも言われるため、トイレに取り入れるのもおすすめです。

■ 緑

豊かな自然を象徴する色である緑には、心身を癒しバランスを整えてくれる働きがあります。緊張をほぐしてリラックスに導く作用があるため、浴室や寝室などに用いるのに向いています。

■ ピンク

ピンクは人に幸福感を与え、穏やかで優しい気持ちへと導いてくれる色です。女性ホルモンの分泌を高め、女性の肌や髪を美しく保つことにも役立つと言われています。女性の寝室やパウダールームなどに取り入れると良いでしょう。

インテリアへの色の取り入れ方は?

それぞれの色の持つ効果をインテリアに取り入れるにしても、部屋全体をその色にしたり同系色だけで揃えたりするのはなかなか難しいですし、ちょっと単調な部屋になってしまいそうですよね。
そんな時に意識したいのが、「ベースカラー」「アソートカラー」「アクセントカラー」の配色バランスです。

『ベースカラー』は床や壁など広い面積に用いる色で、その部屋の基調となる色です。部屋の70%を目安に使うと良いでしょう。ベースカラーにはベージュやアイボリーなど主張しすぎない色を選ぶようにしましょう。

『アソートカラー』はその部屋の雰囲気を決める色です。家具やカーテンなどの色として、部屋の25%を目安に取り入れましょう。

『アクセントカラー』は、その名の通り、アクセントとして部屋の印象を引き締めたり変化をつけたりするために用いる色です。部屋の5%を目安に、アソートカラーと対比する色を選ぶのがコツです。

配色の割合を意識しておけば、部屋への色の取り入れ方を考えやすくなりますね。色の効果を上手にマンションのインテリアに取り入れて、色からパワーをもらえるお部屋作りをしていきましょう。

2015年2月掲載
※掲載の写真は全てImage photoです。