不動産経済コラム

暮らしタイムズ

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Vol.18

部屋を広々見せる
インテリアテクニックのヒント Vol.2

2021.8.2

片付け収納専門インテリアコーディネーター
北欧ライフスタイル研究家

新倉 暁子

片付けは美しく見せるテクニックが大切なのではなく、どんな暮らしがしたいのか自分の思考を整理することが重要だと考える。住空間だけでなく暮らし全般を整えることの大切さを提案。幸福度の高い北欧ライフスタイルからヒントを学ぶべく研究発信も行う。自称「片付けられない女」の経験を活かした片付け講座、個人向け収納サポート、北欧オンラインツアーなど多岐にわたって活動。

収納イメージフォト

前半では部屋を広く見せるための家具設置についてお話ししました。今回は、インテリアコーディネートについてお話ししていきます。

色のセオリーを知ろう

インテリアコーディネートをするときは、ベースカラー7割、メインカラー2割、アクセントカラー1割で色を考えます。ベースカラーは床、壁、天井などの部分となるため、自分で手軽に工夫できるのはメインカラーとアクセントカラーです。メインカラーは家具やカーテン、ラグなどが該当し、アクセントカラーは小物などが該当します。


白色や淡いトーンの色味には光を感じ、色が同化して見えやすくなるため広く見える効果があります。また白色は清潔な印象も与えますので水回りで使うのも効果的です。


特殊型の間取りの例特殊型の間取りの例

特殊型の間取りはリビングキッチン中心に動線があります。このような間取りは色の効果を意識して、家具だけでなく小物の色味も統一させましょう。


例えば、キッチンはアイテム数も多く雑多に見えがちですが、小物の色を揃えるとスッキリして見えます。しかし、白ばかりだと殺風景でつまらない印象になりがちです。


そこで登場するのがアクセントカラーです。好きな色を足してアクセントカラーでメリハリをつけ、空間に奥行きを出します。カラーのテクニックを知ればスッキリした広い印象を与えながらも楽しい空間演出が可能です。


また、グリーンを設置し、窓の外の植栽と色を調和させてつながりを作ると、空間が広く感じられます。外の景色も上手に取り入れましょう。


フォーカルポイントを作ってみよう

田の字型の間取りの例田の字型の間取りの例

フォーカルポイントという言葉を聞いたことはありますか。これは部屋を見渡した時に視線が集中する場所を言います。つまり部屋の印象を決める大事な要素です。フォーカルポイントを上手くまとめると、空間全体の印象を変えることができます。


家のイメージを決める玄関こそ、フォーカルポイントを意識しましょう。例えば、壁を凹ませ飾り棚となっている部分(玄関ニッチ)には花を一輪飾り、フォーカルポイントを作ることで、目の錯覚で広さを感じるだけでなくお家への訪問者にも良い印象を与えられます。


田の字型は字の形どおり必ず廊下が入る間取りです。廊下は移動するだけの場所ではなく、デコレーションしてギャラリーのように楽しんではいかがでしょう。部屋とのつなぎ役の廊下を印象付けると、続きの部屋のイメージもワンランクアップして見えることでしょう。


フォーカルポイントを意識すれば、見せたくない生活感から視線を外すこともできます。効果的に取り入れたいですね。


灯りの重なりで空間に奥行きを

イメージフォト

ワイドスパン型の間取りの例田の字型の間取りの例

部屋を広くみせたいとき、ものを少なくすることばかり意識しがちです。しかし、ここではものを加えるインテリアテクニックを紹介します。


日本は天井の一点から全てを照らすシーリングライトが主流ですが、海外のインテリアは多点照明で空間に広がりを演出しているものが多いです。


一部屋に種類の違う照明が5つから7つあると、部屋全体の雰囲気が魅力的になると言われています。天井から照らす照明器具とは別に、スタンドライトなどの間接照明も取り入れましょう。小さなテーブルライトやキャンドルなどの小物でもOKです。積極的に増やして部屋の雰囲気に奥行きをプラスしましょう。


特に部屋の隅や壁面に照明を向けると、部屋が広く感じられる効果も期待できます。ワイドスパン型の間取りは広い開口部から広さを感じやすいですが、灯りの効果を足せば雰囲気の良い住空間にランクアップします。


今回は空間を広く見せるインテリアテクニックをご紹介しました。しかし、住空間は広く見せるだけでなく、心地よく暮らせることが大事です。インテリアの基本とテクニックで心地よさは手に入ります。ぜひ実践していただければと思います。

2021年8月掲載
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